引用:Google Map
この駅も駅名が何となく気になったので調べてみました。
えぇ?屛風浦?
浦は、たしか海岸地形の意味があるけど、なんで屏風なの?って思った。
- 屛風浦駅の名称は地形由来だった。屏風と付いた名称の理由は
- 屛風浦駅に市営地下鉄の計画があった。なぜとん挫したの?
- 屛風浦駅まわりにある珍しい?寺院と某業界の元祖
屛風浦駅の歴史。名称の由来。地下鉄計画が白紙になった理由
引用:京浜急行電鉄
屛風浦駅は1930年4月1日に開業しました。
当時の駅名は屛風ヶ浦駅でした。
この時の隣駅は、上大岡と金沢文庫。
杉田・京急富岡・能見台がまだなくて、屛風ヶ浦駅と金沢文庫駅の駅間は結構長かったですね。(6.5キロ)
案外、田舎だった横浜のはずれ
横浜市は今見るとまぁまぁ広く、かなりの人口がありますが
昔は結構田舎なのでした。
横浜市はパッと見、どこもかしこも住宅地がメチャクチャあって発展してそうに見えますが
鉄道があるのと、首都圏近郊で職場が多いって事で後からボンボンと住宅地が増えただけなのです。
地形ツールで見ると、神奈川県東部は結構平地が少ない
引用:国土地理院地図
で、何が言いたいのかというと・・・屛風浦駅あたりの地形です。これが名称の由来となりました。
屛風ヶ浦という名称の由来
まず「浦」というのは海辺でも特に入江状の地形を指します。
屏風ヶ浦のあたりは根岸湾が形成されていて、真っすぐな海岸線ではありません。
では「屏風」とは何ぞや?
これは海側から陸地を見た時の見た目。
今では埋立地がズラっとあるけど、昔はそんなものがなく
少しの平地があり、その奥には壁のように見える多摩丘陵・三浦丘陵です。
引用:国土地理院地図
海に近い所は3mほどですが、丘陵の上は40~60mの高さがあります。
しかも、なだらかになってるんじゃなくて切り立った形状なので、まるで屏風のように見えるのです。
しかも昔の陸地は国道16号線くらいまでなので(磯子付近は)マジで海から見たらすぐ壁があるような感じ。
てか屏風って何じゃ
屏風は今は美術品的なものですが、昔は家具の1つでした。
部屋の仕切りにも使ってましたが、特に外からの風を防ぐために立てられてました。
「風を防ぐ」から屏風と名付けられました。
屏は、「へい」とも読みますね。
屏風の歴史は古く、紀元前200年頃の漢王朝くらいから。
その後に王族向けの見た目が派手な美術品系へ姿が変化しました。
日本でも文献上では日本書紀にあり、現存物は8世紀に作られたものが正倉院に保管されてます。
特に日本で増えたのは室町時代ごろからで、ただの風防というよりは美術的な要素も含んだものとして広まりました。
屏風浦村があった
引用:Google Map
とまぁ根岸湾と、その丘陵地形から屏風浦と呼ばれてた地域は結構広くて
ただ実際に屏風浦村に所属したのは、一回り小さい範囲です。
屏風浦村が成立したのは1889年で、主にデカかった村が磯子村。現在でも磯子区として名称が残ってますね。
屛風浦村は1927年には全てが横浜市に編入し、村が廃止になりました。
その後に屛風ヶ浦駅が開業します。
- 駅を設置した辺りの馴染みある地名名称
- 旧、村役場が比較的近いこと
そういう点を考慮して、屛風ヶ浦駅とした・・・と考えられます。
横浜市営地下鉄2号線計画
1966年7月、都市交通審議会答申第9号により
屏風浦駅~八幡橋(根岸駅付近)~横浜駅~神奈川新町駅の11.4kmの2号線計画が出ました。
引用:Google Map
京急本線の混雑緩和のために計画されましたが、京急が輸送力をアップさせたので必要なくなりました。
現在でも計画復帰はあり得なくて、完全に廃止です。
屛風浦の住みやすさはまぁまぁ
屛風浦駅は普通しか停まりませんが、場所によっては磯子駅も近く、交通手段の選択肢がある地域です。
京急バスも通ってて、ちょっと駅から離れてても交通に不便しません。
だけど、屛風浦駅を単体で見たら弱くて
- 普通しか停まらない
- 最寄りのバス停が貧弱
- バスの行き先が上大岡や杉田
上大岡はこの辺りのハブ駅で、京急の全種別が停まります。
杉田は急行が停まるし。
バス経路からしても、駅スペック(?)にしても、両隣の駅に吸われてる感じです。
屛風浦駅まわりにある珍しい?寺院と某業界の元祖
引用:Google Map
屛風浦駅の近くには寺社や高等学校、ちょい離れた磯子駅近くにとある元祖店があります。
林香寺
引用:Google Map
何の変哲もないただのお寺さん。
臨済宗・建長寺派の寺院ですが・・・2024年9月現在の住職が慶応医学部卒の精神科医です。
現役の医者で、住職も兼務しています。
寺自体は、鎌倉五山の次に関東で寺格の高い寺院です。
鎌倉五山は臨済宗の寺院の中でも、鎌倉にある5つの寺のこと。どれも寺格の高い寺です。
その中でもトップを張ってるのが建長寺で、林香寺が入っている派閥のトップ。
実は、けんちん汁は建長寺が発祥。根菜類と豆腐をぶち込んだ、醤油味のすまし汁です。
ラーメン壱六家 磯子本店
引用:Google Map
磯子駅の近く。家系ラーメンの1つだけど、本流ではなく亜流の方です。
吉村系とは完全に別の「壱系」と呼ばれる元祖がここ。
全国チェーンの町田商店や魂心家は、壱六家の流れです。
ただ、今は吉村系に傾いているらしく、創業当時からはかなり味が変わったらしい。
壱系の特徴を守ってて、そこいらで食えるのは魂心家だと思います。
元祖の味が気になってももう食えないのですが、どう変化したのか気になるっちゃ、気になる。
神奈川県立磯子工業高等学校
引用:Google Map
公立の工業高校で、全日制と定時制があります。
全日制の就職進路率は66%くらいで、進学率は28%くらい。
多くの卒業生が、京浜工業地帯の会社に就職してます。
日産自動車、京急、総合車両製作所、森永製菓、JR東海、ニチアスなどに就職実績アリ。
大学は法政・中央・立教。神奈川大や神奈川工科大への進学実績があります。
森浅間神社
引用:Google Map/なかじーさん
地名「森」が入った浅間神社です。
その名の通り、富士山浅間大社の神様をコピーしてきてます。
この神社は山岳信仰の対象で、修行場でもあったので、参道の階段は結構多め。
斜度も急なので、本宮への参拝はちょい注意してください。
階段下の下宮もあるんで、足に自信がない人はそちらでの参拝がオススメ。
まとめ:屛風浦駅の屏風って何かと思ったら、丘陵だった
引用:Google Map
どんな国宝級の屏風があるんかと思ったら、海から見た時の地形が"まるで屏風"だから・・・という理由で、そう呼ばれるようになりました。
丘陵地は高尾山あたりが由来の小高い所なので、地盤は強いです。
海岸よりはだいぶ高いので、仮に津波が来ようとも平気。
でも、住むなら上大岡の方に近い所が良いかも。
あっちの方が何かと便利なんでね。
その分、屛風浦の方は静かな方だと思います。
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