引用:Google Map
今回は大田区・東京23区で最南端の駅、六郷土手の紹介をしてゆきます。
個人的に駅名も気になった所。
だいたい4文字くらいから、ワケがありそうなイメージがあるんですけど、ワイだけ?
六郷土手駅の歴史。最初はこんな駅なかったよ
引用:Google Map/りんパパさん
六郷土手駅の元祖と言える駅は1901年2月1日にできました。
ですが、今の六郷土手駅の場所とは違うし、元の駅は3つありました。
併用軌道にできた3つの駅
1901年2月1日、六郷駅・中町駅・?駅が開業しました。
どうやら1つは名称不明らしい・・・
京急川崎から延伸した併用軌道路線にできた駅です。
併用軌道ってのは、路面電車の事。
ですので、普通の鉄道駅よりは駅間距離が短く、六郷土手あたりでも3駅くらいあったようです。
1902年に六郷駅を八幡塚駅に改称しました。
八幡塚駅は変わりすぎ。何があった?
引用:Google Map
六郷土手駅の近くに、六郷神社という神社があります。
その中に「八幡塚」ってのがあって、そっから駅名を付けました。
八幡ってのは、神社から。ようは、応神天皇を祀ってる神社だから。
そこにある塚だから、八幡塚です。
できた時期は平安末期~鎌倉初期と推定されてます。
誰かのお墓ではなく、出土品から祭祀道具を埋めるための場所でした。
大事なモノを埋めてた、とかではなく写経と同じようなもんで、修行の一貫だったらしい。
参考:古墳なう
専用軌道に変わり、3駅を統合
1906年10月1日、京急本線は路面電車から普通の鉄道に切り替え。
この時に六郷駅・中町駅・?駅を統合して、六郷堤駅を開業しました。
時期は不明ですが、戦前のうちに六郷堤から六郷土手駅に改称しました。
そもそも路面電車は速度制限がかなり厳しいから、その分駅を多く設置してもロスは少ないです。
速度や時間の面で。
ですが、電気車両の専用軌道にすると速度が出せるんで・・・
駅間距離はある程度ないと、速達性が悪くなって効率が余計に下がります。
ということで1駅に統合。六郷堤駅となりました。
六郷って何じゃ?
引用:Google Map
最初の六郷駅。そして六郷堤。今は六郷土手です。
これは八幡塚・高畑・古川・町屋・道塚・雑色の6村の事を指します。
堤ってのは、堤防の事。土手も同じ意味です。
六郷土手は多摩川が目の前にあるんで、堤防もすぐそこにあります。
どこにでもあるんだから、わざわざ付けるまでもないと思うけど・・・六郷堤/六郷土手となりました。
1945年4月15日に発生した、京浜空襲で全焼。
現在地よりもちょい蒲田寄りの場所に再建されました。
高架化工事とちょい移転
1971年~1972年にかけて、多摩川の鉄橋架け替え工事にともなって、高架化されました。
ついでに川崎寄りに移設。
こうして今の形になりました。
六郷土手駅の立地は確かに効率の悪い所と言えます。
ですが、当時は雑色も蒲田も地上駅だったんで、あまり川から離すと勾配の途中に駅を置く事になるでしょう。
そういう駅は停車・発車が難しくなるため、できるだけ平行な方が良いですね。
だから多摩川に接する位置に駅を置く事になった、と考えられます。
六郷エリアの歴史
引用:Google Map
六郷あたりには関所があり、江戸に入る前の最後の関所でした。
西の方から来た人は、必ずこの六郷エリアを通ってたようです。
橋がかかったのは1600年のこと。
そっから何度も架け直されましたが、1688年の洪水以降は再建されなくなりました。
代わりに渡し船を出す事になり、明治まで渡し船が運行されてました。
もちろん有料なので、六郷や川崎は船賃である程度潤ったようです。
参考:六郷の渡し
六郷土手駅まわりの名所。寺社や花火大会の会場があるよ
引用:Google Map
六郷土手駅のあたりはそこそこ歴史のある所で、由緒ある寺社があります。
また多摩川の河川敷を利用した公園やイベントが開催されていて、何だかんだと賑やかな所です。
六郷神社
引用:Google Map
六郷エリアの守護としてできた神社で、平安時代の後期あたりにできました。
祀られているのは、応神天皇。
源氏が六郷エリアに来た時、大きな杉の木に源氏の旗を掲げ、石清水八幡宮に向けて祈ったら士気が高まったそうな。
そして前九年の役(前九年合戦)に勝利しました。
凱旋後、石清水八幡宮の分霊を持って来て、八幡宮を作りました。
ですので江戸時代には「六郷八幡宮」と言われてました。
御朱印が貰えるんで、集めてる人は行ってみて。
専修寺関東別院
引用:Google Map
三重県津市の浄土真宗・高田派本山・専修寺(高田本山)の東京別院です。
同じ宗派の寺はいくらでもありますが、本山格は専修寺だけ。
真の本山とは別の場所に造られた寺のことです。
公式にコピーされた寺なんで、粗悪品を掴まされるみたいな事はありません。
高田本山と同じパワーがあります。
そんな寺格の高い所ですが、親しみやすい感じで話ができると評判です。
多摩川河川敷
引用:Google Map
ここには野球場が25面くらいあり、テニスコートは6面、ゴルフ倶楽部もあります。
京急とJRの間には通称「バイオリン公園」もあり、広場にブランコと砂場を設置。
小さな子でも遊べる広場になってます。
もちろん電車も見れるスポットなので、小さな男の子は気に入るでしょう。
また、大田区平和都市宣言記念事業の「花火の祭典」の会場でもあります。
開催は毎年8月15日。
19時~20時まで、約4000発の花火が打ちあがります。
ちなみにこの平和祈念式典は2部で、1部は10時から18時まで太田区民ホール・アプリコで開催。
入場、参加費など無料で行われてます。
内容までは把握してないので、もしかしたら偏ってるかもしれませんが、子供の夏休みの宿題に平和に関するものがあれば、ちょうど良いでしょう。
花火大会終了後は、臨時特急電車が数本運行されます。
まとめ:六郷土手駅は6つの村、3つの駅が元祖だった
引用:Google Map
路面電車だった頃にあった3駅が統合し、六郷堤駅ができました。
堤ってのは堤防の事で、イコール土手。
なんでわざわざ堤から土手に変えたんかは知らんけど・・・語呂が微妙だったから?
六郷はそんまんま。6つの村という意味です。
普通しか停まりませんが、川崎と蒲田に挟まれた所で、結構立地は良いです。
その割には比較的静かな住宅地なので、そこそこ人気のある所みたいよ。
X(Twitter)
アカウントを持ってる方はぜひフォローを。